加・乗・減・除
プロの写真家によると
銀塩モノクロで写真のイロハを勉強し
暗室での作業を経験した者にとって
モノクロ表現はグレーの階調だけで
空間、色、質感、さらには空気感や匂いまで
表現できる事を教えられた写真表現の原点であり
「加」又は「乗」
の表現だと認識しているそうです。
ところがカラーからモノクロに変換する作業は
「減」又は「除」
の作業になるそうです。
もちろんそんな作業を知らない人が
出来上がったモノクロ作品をみれば
モノクロ写真として見るでしょう。
しかし出発点とプロセスが違う事は明白で
訴える力は「歴然」としている様に思います。
つまり良い悪いの問題ではありません。
プロアマに関係なく
表現者としての感性や考え方の違いであり
否定も肯定もできないのです。
デジモノクロを追求するのも立派な表現手法であり
モノクロにするとなんかカッコ良く見えるからと
安易にモノクロ変換する事には
表面的な表現でしかなく
いつかメッキが剥がれるように
思いや感性も薄いものになるのでしょう。
建築にも合い通じる事ですね。
〔YAKENA〕
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